このブログでは、主に性同一性障害に関連する私自身の思いや活動の内容を書いています。

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何が混合診療にあたるのか
性同一性障害のホルモン療法と手術療法が混合診療にあたるとされた件で、ブログやツイッターを見ていると、いくつか誤解が生じているようです。その点について整理しておこうと思います。

性別適合手術の前後一月程度だけホルモン療法を止めればいいの?
これはあきらかにNG。最低でも1年、できれば2〜3年は空いていないと、混合診療医あたると判断される可能性があります。

(4/20追記) GID学会から 「性同一性障害診療における手術療法への保険適用」について という発表があり、ホルモン療法を一度でも行っていれば、健康保険適用にならないこととなりました。これにより、どれだけ期間を空けてもNGということになりました。
本件に関しては、ホルモン療法を行っていれば、中断しても性別適合手術は保険適用にならない という記事を別途書きましたので、そちらもご参照ください。

ホルモン療法を行っている医療機関と手術する医療機関が異なっていれば大丈夫?
これもNG。しかし、他の疾患であればこれは混合診療にあたらないことが多いとされています。何故なのでしょうか。それは性別適合手術の場合は、事前に判定会議があるからです。
他の疾患であれば患者が他の医療機関で自由診療を行っているかどうかは、本人が申告しない限りわかりません。というより同一疾患を複数の医療機関で治療するというケースの方が希でしょう。
なので本当は混合診療になっていてもわからずにそのまま保険診療としてしまうことになります。更に自由診療分はレセプト請求されないから審査機関も把握できず問題無く通ります。このようにして混合診療であっても黙認されることになってしまうのです。
ところが判定会議があると、そこに出てくる意見書には患者の詳しい治療歴が記載されることになり、当然そこにはホルモン療法をに関する治療経過も記載されることになります。この段階で混合診療になることが明白に判っているとなれば、それを無視することはできなくなるからです。

個人輸入などで自己調達してホルモンをやっている場合は?
自己調達は診療では無いので混合診療とはなりません。
しかし、ホルモン療法はガイドライン上医師の管理下で行う事が推奨されています。そのため、よほどの事情がある場合でないと性別適合手術に対する判定会議は通らない可能性が高いと考えておいた方が良いでしょう。

(4/20追記) こちらに関しても、まずは医師の管理下でホルモン療法を行うよう指導されるようです。従って自己調達だから大丈夫とはならないと思った方が良いでしょう。

ホルモン療法をやっていても、やっていないとウソをつくのは?
「ホルモン療法はやっていません。生まれつき他の性別のホルモン量が多いんです。」とウソを付くのはどうでしょうか。これは止めた方が良いです。
そもそも精神療法を開始する時点でホルモン値の検査などは行いますし、聞き取り調査も行っているはずです。もちろん医師もホルモンをやているのか生来の状態がどうなのかくらいの判断はつくでしょう。
そういう騙そうとするような人は信用を無くし、判定会議が通らないだけでなく今後の治療や戸籍変更などにも影響がでるかもしれません。

医療機関が黙って通してくれればいいのでは?
では、医療機関側が判定会議の資料でホルモン療法をやっているのを判っていながら、手術を保険診療とするのはどうしょうか。確かに審査機関の段階では自由診療分はレセプト請求されないからホルモン療法をやっているかが判断できず、一見通りそうに思えます。
しかし、そう簡単な話にはなりません。今回新規の保険適用ということで、当面は厳しい審査が行われることは間違いありません。その際にはレセプトの請求書だけで無くカルテや判定会議の資料などその他の資料の提出も求められるかもしれません。
そこでもしばれたら大変なことになってしまいます。保険診療分が病院負担になってしまうだけでなく、保険診療体制そのものの信用を失い、手術療法の保険運用そのものに大きな影響を及ぼしてしまう。病院側もそんなリスクはとても犯せないでしょう。ましてや今回の認定医療機関は全て大学病院になるでしょうからなおさらです。

精神療法は大丈夫なのに何故ホルモン療法だけがNGなの?
精神科のみの受診の場合は問題なく健康保険適用です。また、精神療法時の診断名が性同一性障害ではなく鬱など別の疾患を併発している場合は一連の診療とはみなされませんので大丈夫です。
しかし診断名が性同一性障害の場合は、厳密に適用すればホルモン療法を開始した時点で混合診療ということになってしまいます。しかし、これもホルモン療法分はレセプト申請されないので、審査機関は把握できず現状では黙認されています。
こうした事情から今後も黙認され続ける可能性は高いと思われますが、保証の限りではありません。
今回ホルモン療法が健康保険の適用外であることが明言されてしまったったため、ジェンダークリニック系や精神科でホルモン療法を行っているところについては、ひょっとしたら狙い撃ちで査察が入る可能性も無いとはいいきれ無いわけです。

(4/20追記)こちらに関しては、既にこうした運用がなされていて実績も積み上がっている状態なので、あえて問題にはしないという意向が厚労省から漏らされています。従って、今後も精神療法に関しては混合診療の心配はなさそうです。

ではどうしろと。。。
いずれにしても、特に運用初期の段階では医療機関側もリスクを考え、絶対大丈夫という人しか対象にしないでしょう。なので、残念ながらグレーゾーンはほぼ無いと思った方が良いと思います。

だから、無理してホルモンを一時止めたりトリッキーなことは考えないでください。糠喜びになってしまって本当に申し訳ないとは思いますが、今回の保険適用だって一時はあきらめかけて2年後に再挑戦しようと思っていたところです。あと2年待ってください。この間にホルモン療法も保険適用になるようがんばりますから。
| ran-yamamoto | 性同一性障害 | 03:41 | - | - |
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